ゲームを軽くするWindowsの設定

この記事では、Windows環境におけるゲームパフォーマンスを最適化するための具体的な設定方法を詳細に解説します。電源設定の「高パフォーマンス」モードへの切替や視覚効果の軽減、Windows Updateの一時停止などの基本設定から、専用GPUの選択やNVIDIA/AMDドライバの最適化、ハードウェアアクセラレーションの有効化といったグラフィック設定の調整方法に至るまで、たくさんの方法があるので押さえておきましょう。

1. Windowsの基本設定

Windowsの基本設定を最適化することで、PCのリソースをゲームに優先的に割り当て、システムの無駄な動作を減らします。

電源設定の最適化

Windowsの電源設定を「高パフォーマンス」または「最大パフォーマンス」に設定すると、CPUやGPUの動作が制限されず、ゲームのフレームレートが安定します。

手順

  1. スタートメニューを開き、「設定」をクリックします。
  2. 「システム」を選択し、左側のメニューから「電源とスリープ」をクリックします。
  3. 右側の画面で、「追加の電源設定」をクリックします。
  4. 表示された電源プラン一覧から「高パフォーマンス」を選択します。もし「高パフォーマンス」が表示されていない場合は、「プラン設定の変更」をクリックし、必要に応じて新しい電源プランを作成します。

Windowsの視覚効果を最適化

「パフォーマンスを優先する」に設定すると、不要なアニメーションや透明効果が無効化され、CPUやGPUの負荷を軽減できます。

具体的な手順

  1. スタートメニューを右クリックし、「システム」を選択します。
  2. 左側のメニューから「バージョン情報」をクリックし、右側で「システムの詳細設定」を選びます。
  3. 「パフォーマンス」のセクションで「設定」ボタンをクリックします。
  4. 「パフォーマンス オプション」ウィンドウが開いたら、「パフォーマンスを優先する」を選択します。
  5. 「適用」をクリックし、「OK」でウィンドウを閉じます。

Windowsの更新を一時停止

Windows Updateを一時的に停止することで、ゲーム中のバックグラウンド更新によるパフォーマンス低下を防ぎます。

手順

  1. スタートメニューを開き、「設定」をクリックします。
  2. 「更新とセキュリティ」を選択します。
  3. 左側のメニューから「Windows Update」をクリックし、「更新の一時停止」を選択します。
  4. 一時停止する期間を選択し、「一時停止」をクリックします。

2. グラフィック設定

グラフィック設定を適切に調整すると、FPS(フレームレート)の向上や遅延の低減が期待できます。

ゲームに最適なGPUを選択

ノートPCなどで統合グラフィックスではなく専用GPUを使用するように設定すると、ゲームのパフォーマンスが向上します。

手順

  1. デスクトップを右クリックし、「NVIDIA コントロールパネル」または「AMD Radeon 設定」を開きます。
  2. 「3D設定の管理」(NVIDIAの場合)または「グラフィック」セクション(AMDの場合)に移動します。
  3. 「プログラム設定」を選択し、ゲームの実行ファイル(.exe)を追加します。
  4. 「高性能GPU」(NVIDIAの場合)または「高パフォーマンス」(AMDの場合)を選択します。
  5. 「適用」をクリックして設定を保存します。

NVIDIA/AMDの最適設定

  • NVIDIA: 「電源管理モード」を「最大パフォーマンス」、低遅延モードを「ウルトラ」に設定。
  • AMD: 「Radeon Chill」を無効化し、最大限のパフォーマンスを引き出す。

手順(NVIDIAの場合)

  1. NVIDIA コントロールパネルを開きます。
  2. 左側のメニューから「3D設定の管理」を選択します。
  3. 「電源管理モード」「優先度を最高にする」に設定します。
  4. 「低遅延モード」「ウルトラ」に設定します。
  5. 「適用」をクリックして設定を保存します。

手順(AMDの場合)

  1. AMD Radeon 設定を開きます。
  2. 「ゲーム」タブを選択し、対象のゲームを選びます。
  3. 「Radeon Chill」オプションをオフにします。
  4. 「グラフィック」設定で「パフォーマンスを優先」に設定します。
  5. 「適用」をクリックして設定を保存します。

Windowsのグラフィック設定

「ハードウェアアクセラレーション GPU スケジューリング」を有効にすると、GPUの処理効率が向上し、ゲームのカクつきを軽減できます。

手順

  1. スタートメニューを開き、「設定」をクリックします。
  2. 「システム」を選択し、左側のメニューから「ディスプレイ」をクリックします。
  3. 右側のスクロールダウンメニューから「グラフィック設定」を選びます。
  4. 「ハードウェアアクセラレーション GPU スケジューリング」のスイッチを「オン」にします。
  5. PCを再起動して設定を有効にします。

3. ゲーム関連の最適化

Windowsのゲーム向け機能の最適化により、パフォーマンスをさらに向上できます。

ゲームモードを有効化

Windowsの「ゲームモード」を有効にすると、バックグラウンドプロセスが制限され、フレームレートの安定化が期待できます。

手順

  1. スタートメニューを開き、「設定」をクリックします。
  2. 「ゲーム」を選択し、左側のメニューから「ゲームモード」をクリックします。
  3. 「ゲームモードをオンにする」のスイッチを「オン」に切り替えます。

Xbox Game Barとキャプチャの無効化

ゲーム録画やスクリーンショットを取る機能ですが、バックグラウンドで動作するため、不要なら無効化するとリソースの節約になります。

手順

  1. スタートメニューを開き、「設定」をクリックします。
  2. 「ゲーム」を選択し、左側のメニューから「Xbox Game Bar」をクリックします。
  3. 「Xbox Game Barを開くためにこのボタンを使う」のスイッチを「オフ」にします。
  4. 同じく「キャプチャ」セクションで、不要なキャプチャ設定をオフにします。

フルスクリーン最適化を無効化

一部のゲームではフルスクリーン最適化が逆にパフォーマンスを低下させるため、無効にすることで安定した動作が得られます。

手順

  1. デスクトップ上のゲームの実行ファイル(.exe)を右クリックし、「プロパティ」を選択します。
  2. 「互換性」タブをクリックします。
  3. 「フルスクリーン最適化を無効にする」にチェックを入れます。
  4. 「適用」をクリックし、「OK」でウィンドウを閉じます。

4. ストレージ & メモリ管理

ストレージとメモリの管理を最適化することで、ゲームのロード時間や全体の動作が改善されます。

仮想メモリ(ページファイル)の最適化

RAMの1.5倍程度の仮想メモリを設定すると、メモリ不足時のパフォーマンス低下を防げます。

手順

  1. スタートメニューを右クリックし、「システム」を選択します。
  2. 左側のメニューから「バージョン情報」をクリックし、右側で「システムの詳細設定」を選びます。
  3. 「パフォーマンス」のセクションで「設定」をクリックします。
  4. 「パフォーマンス オプション」ウィンドウで「詳細設定」タブを選択し、「仮想メモリ」のセクションで「変更」をクリックします。
  5. 「すべてのドライブのページング ファイルサイズを自動的に管理する」のチェックを外します。
  6. 使用するドライブを選択し、「カスタムサイズ」を選びます。
  7. 「初期サイズ (MB)」「最大サイズ (MB)」にRAMの1.5倍の値を入力します(例:RAMが16GBの場合、初期サイズと最大サイズを24000MBに設定)。
  8. 「設定」をクリックし、「OK」を選択します。
  9. PCを再起動して設定を適用します。

不要なファイルを削除

「ディスククリーンアップ」や「ストレージセンサー」を活用し、一時ファイルやキャッシュを削除すると、ストレージの読み書き速度が向上します。

手順

  1. スタートメニューを開き、「ディスククリーンアップ」を検索して起動します。
  2. クリーンアップするドライブを選択し、「OK」をクリックします。
  3. 削除するファイルの種類にチェックを入れ、「システムファイルのクリーンアップ」をクリックします。
  4. 再度削除するファイルの種類を選び、「OK」をクリックして削除を実行します。

ストレージセンサーの設定:

  1. 「設定」を開き、「システム」 > 「ストレージ」を選択します。
  2. 「ストレージセンサー」を有効にし、設定をカスタマイズします(例:一定期間ごとに不要ファイルを自動削除)。

SSDの最適化

SSDを使用している場合は「Trim」を定期的に実行し、HDDの場合はデフラグを行うと、データの読み書き速度が改善されます。

手順

SSDの場合(Trimの確認と有効化):

  1. コマンドプロンプトを管理者として開きます。
  2. fsutil behavior query DisableDeleteNotify と入力し、Enterキーを押します。
  • 出力がDisableDeleteNotify = 0であればTrimが有効です。
  • DisableDeleteNotify = 1の場合は、fsutil behavior set DisableDeleteNotify 0と入力してTrimを有効にします。

HDDの場合(デフラグの実行):

  1. スタートメニューを開き、「デフラグ」と検索して「ドライブのデフラグと最適化」を選択します。
  2. 最適化したいドライブを選び、「最適化」をクリックします。
  3. 定期的にデフラグを実行するために、スケジュールを設定します。

5. バックグラウンドプロセスの最適化

CPUやメモリの負担を軽減することで、ゲームのパフォーマンスを向上させることができます。

不要なスタートアップアプリを無効化

「タスクマネージャー」から不要なスタートアップアプリを無効化すると、PCの起動時間が短縮され、ゲームにリソースを割り当てられます。

手順

  1. タスクバーを右クリックし、「タスクマネージャー」を選択します。
  2. 「スタートアップ」タブをクリックします。
  3. リストから不要なアプリを選び、右クリックして「無効にする」を選択します。
  4. 必要に応じて、すべての不要なアプリを無効化します。

バックグラウンドアプリの制限

Windowsの設定で「バックグラウンドアプリをオフ」にすることで、FPS低下や遅延の原因を減らせます。

手順

  1. 設定を開き、「プライバシーとセキュリティ」を選択します。
  2. 左側のメニューから「バックグラウンドアプリ」をクリックします。
  3. 「バックグラウンドアプリを許可する」のスイッチを「オフ」にします。
  4. 必要に応じて、特定のアプリのみをオフにすることも可能です。

不要なサービスの無効化

「Windows Search」や「SysMain」などの不要なWindowsサービスを無効化すると、ゲームのパフォーマンスが向上する可能性があります。

手順

  1. Windowsキー + Rを押して「ファイル名を指定して実行」を開き、services.mscと入力してEnterキーを押します。
  2. サービス一覧から「Windows Search」を見つけ、ダブルクリックします。
  3. 「スタートアップの種類」「無効」に設定し、「停止」ボタンをクリックします。
  4. 同様に、「SysMain」(以前の「Superfetch」)もダブルクリックし、「スタートアップの種類」「無効」に設定して「停止」します。
  5. 「OK」をクリックしてウィンドウを閉じます。

6. ハードウェア関連の最適化

ハードウェア設定を適切に調整することで、PCの持つ本来の性能を最大限に引き出せます。

CPUのパフォーマンス向上

「プロセッサの電源管理」設定で「最小のプロセッサの状態」を5〜10%に、「最大のプロセッサの状態」を100%にすると、クロックダウンを防げます。

手順

  1. スタートメニューを開き、「設定」をクリックします。
  2. 「システム」を選択し、左側のメニューから「電源とスリープ」をクリックします。
  3. 右側の画面で「電源プランの設定の変更」をクリックします。
  4. 「詳細な電源設定の変更」をクリックします。
  5. 「プロセッサの電源管理」を展開し、「最小のプロセッサの状態」を5〜10%に設定します。
  6. 「最大のプロセッサの状態」を100%に設定します。
  7. 「適用」をクリックし、「OK」でウィンドウを閉じます。

メモリのオーバークロック

BIOS設定でXMP(Intel)やDOCP(AMD)を有効化すると、メモリの速度が向上し、ゲームの処理速度が改善されます。

手順

  1. PCを再起動し、起動時に「DEL」キーや「F2」キーを押してBIOSに入ります(マザーボードによって異なる)。
  2. BIOSメニューで「OC」(オーバークロック)または「Ai Tweaker」などのセクションを探します。
  3. 「XMPプロファイル」(Intelの場合)または「DOCPプロファイル」(AMDの場合)を見つけて有効にします。
  4. 設定を保存してBIOSを終了し、PCを再起動します。
  5. 正常に起動したら、メモリがオーバークロックされていることを確認します。

GPUドライバの最新化

最新のドライバに更新すると、新しいゲームや最適化された機能を活用でき、パフォーマンスが向上します。

手順

NVIDIAの場合:

  1. NVIDIA GeForce Experienceを開きます。インストールされていない場合は公式サイトからダウンロードします。
  2. 「ドライバ」タブをクリックし、「更新を確認」を選択します。
  3. 最新のドライバが利用可能な場合は、「ダウンロード」をクリックし、インストールします。
  4. インストール後、PCを再起動します。

AMDの場合:

  1. AMD Radeon Softwareを開きます。インストールされていない場合は公式サイトからダウンロードします。
  2. 「アップデート」タブをクリックし、最新のドライバを確認します。
  3. 利用可能な場合は、「ダウンロード」および「インストール」を実行します。
  4. インストール後、PCを再起動します。

冷却対策

CPUやGPUの温度管理を適切に行い、ホコリの掃除や冷却ファンの追加などでオーバーヒートを防ぐと、安定したゲームプレイが可能になります。

手順

  1. PCの電源を切り、ケースを開けます
  2. エアダスターを使用して、CPUファン、GPUファン、およびケース内部のホコリを除去します。
  3. 必要に応じて、追加の冷却ファンを取り付けます。マザーボードやケースに適したファンを選び、エアフローを最適化します。
  4. サーマルペーストの状態を確認し、必要であれば新しいものに交換します。
  5. PCを再組み立てし、正常に動作することを確認します。

まとめ

カテゴリ設定項目重要度
Windowsの基本設定高パフォーマンスモード、視覚効果の軽量化★★★
グラフィック設定高性能GPU選択、ドライバ最適化★★★
ゲーム最適化ゲームモード、Xbox Game Bar無効化★★★
ストレージ & メモリ仮想メモリ調整、不要ファイル削除★★☆
バックグラウンド管理スタートアップアプリ無効化★★☆
ハードウェア最適化CPU/GPU冷却、オーバークロック★★★

これらの設定を適用することで、Windows環境におけるゲームのパフォーマンスを大幅に向上させることが可能です。電源設定や視覚効果の最適化、グラフィック設定の調整により、CPUやGPUのリソースを効率的に活用し、フレームレートの安定化や遅延の軽減が期待できます。また、バックグラウンドプロセスの管理やストレージ・メモリの最適化を行うことで、ゲーム中の動作がさらにスムーズになります。ハードウェアの冷却対策やドライバの最新化も忘れずに行うことで、長時間のプレイでも安定したパフォーマンスを維持できます。これらの設定を順番に実施し、自分のシステムに最適な環境を整えることで、より快適で没入感のあるゲーム体験を実現しましょう。

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